靴が足にあわない理由はいろいろあります。
靴選びについての項でご説明した「足長が大き目の靴を選んでいる」といった要因以外に考えられる代表的なものをあげてみます。
①靴の足囲・足幅 爪先形状があっていない
靴のサイズについてJIS規格では「足長」と「足囲・足幅」が決められています。
(「足囲/足幅」=アルファベットのD、E、EEEなどと表記される規格)
しかし市販の靴で「足囲・足幅」の表記があるものは少数でありサイズを選ぶ基準が不明確です。
また、現代の日本人は皆さんが思っているほど「幅広甲高」ではないのですが、「ゆったり4E」などの広告文面から「幅の広い靴の方が履きやすい」と幅広の靴を選ぶ傾向もあります。
つまり「足長」はあっていても「足囲・足幅」が大きくゆるい靴が履かれているということです。
「足囲・足幅」を含めた正しい足サイズの計測と「ピッタリした靴を選ぶ」という意識が必要です。
また、足の爪先形状には大きく3種類に分けられます。
親ユビが長い「エジプト型」、第2趾が長い「ギリシャ型」、5本の趾が揃っている「方形型」。
それぞれに対応する靴の爪先形状としては「オブリーク」トゥ、「ラウンドorポインテッド」トゥ、「スクェア」トゥがあります。
足と靴の爪先形状があっていないと窮屈だったり歩きづらかったりすることがあります。
②足の個人差と左右差
人間は一人一人、顔も身体も違います。
足の形についても人それぞれ、足ユビの長い人・短い人、甲の高い人・低い人、カカトが出っ張っている人・平坦な人etc。
市販の靴がそのままピッタリ履ける足の形の人の方が少ないと思います。
また、生身の人間ですから身体には必ず左右差があります。
足も当然「足長」と「足囲・足幅」それぞれの左右差があります。
市販の靴は左右差がほとんどありませんから、どちらかの足にピッタリであれば反対の足にはあわないはずです。
③硬い足と柔らかい足
「歩く」とは左右の足を交互に(前に)出して移動することです。
一連の「歩行」の中で足は「地面に設置して荷重がかかっている(荷重)状態」と「空中にあって荷重のかかっていない(非荷重)状態」で大きさが変化します。
私たちはこの「荷重」時のサイズと「非荷重」時のサイズの差が小さい足を「硬い足」、差が大きい足を「柔らかい足」と呼んでいます。
特に「柔らかい足」の方は靴の中で足が不安定な動きをしますので結果的に靴があわないと感じることが多くなると考えられます。
④足のアーチ機能の低下
足には3つのアーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)があります。
そのアーチの機能が低下したりバランスが崩れたりすると様々な障害が出てきます(足部の痛みや変形)。
何足試しても靴があわないという方はアーチ(バランス)の崩れも疑う必要があります。
以上、代表的な要因を挙げてみました。
詳細につきましては当工房での計測と分析(2,200円)で個別の診断とアドバイスを受けることができます。
ぜひお気軽にご利用ください。